• 2022.01-16 / 未分類

    今月の事務所だよりです。

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      今月の事務所だより
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    いつもお世話になっております。

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    ◆2022年2月の税務
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    2月10日
    ●1月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

    2月28日
    ●前年12月決算法人及び決算期の定めのない人格なき社団等の確定申告<法人税
    ・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
    ●3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・
    地方消費税>
    ●法人の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
    ●6月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住
    民税>(半期分)
    ●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、9月決算法人の3月ごとの中間申告<
    消費税・地方消費税>
    ●消費税の年税額が4,800万円超の11月、12月決算法人を除く法人の1月ごとの中
    間申告(10月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

    ○前年分贈与税の申告(申告期間:2月1日から3月15日まで)
    ○前年分所得税の確定申告(申告期間:2月16日から3月15日まで)
    ○固定資産税(都市計画税)の第4期分の納付(2月中において市町村の条例で定
    める日)

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    ◆不祥事で役員報酬減額・返上時 定期同額給与になるの?
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    ◆お詫びとともに処分を発表
     会社やその役員が不祥事等を起こした際に、「〇か月役員報酬〇〇%減」や「
    役員報酬の〇〇%を返上」といった処分をニュースで見かけますが、実際にこの
    処分を行う場合、気をつけなければならない点がいくつかあります。

    ◆減額を臨時株主総会で決定した場合
     基本的に役員の報酬は定款または株主総会の決議によって決めなければなりま
    せん。手続きを行わず報酬を変更、または臨時に改定する事由に当たらない報酬
    額の変更をした場合、定期同額給与とはみなされず、役員報酬の一部が損金不算
    入とされます。
     不祥事が起きて、役員報酬の一定期間の減額を臨時株主総会で決定した場合は
    どうなるかというと、こういった役員報酬の一定期間の減額は「やむを得ない事
    情」に該当すると判断されているため、一定期間の減額改定・その後の増額改定
    についても「臨時改訂事由」によるものとなり、支払われた役員報酬はすべて損
    金算入してもよい、ということになります。

    ◆支給された報酬を返上する場合
     早急な処分を実施する等のために、株主総会を経ずに支給される報酬を「受領
    辞退・返上」した場合については「支給期の前か後か」で、取扱いが異なります

     一旦受領した役員報酬を支給期後に返上した場合は、支払われる予定であった
    報酬の全額が損金算入となります。ただし「一度支払ったもの」ですから、返上
    された金額分の源泉所得税も取られますし、社会保険料の算定等にも考慮されま
    す。役員個人にとっては「返上」が一番ダメージのある処分かもしれません。な
    お、返上された報酬は雑収入等で計上する必要があります。

    ◆支給期前に辞退する場合
     支給期前に報酬の一部を辞退した場合、減額改定と増額改定を行った扱いにな
    り、事業年度中は減額され役員に支払われた金額が毎月の定期同額給与とみなさ
    れ、処分前や処分後に、それ以上に支払った分は損金不算入となります。
     こちらは「返上」に比べると会社側の負担が大きい処分となります。役員個人
    には「支払われていない」ため、辞退した部分については個人に課税はされませ
    ん。

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    ◆コロナ禍の税務調査
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    ◆コロナ禍で実地調査は大幅減
     令和2年4月に1回目の緊急事態宣言が発令されてから、もう随分と経ちました
    。統計が出ている令和元事務年度(元年7月~2年6月)の税務調査件数を見てみ
    ると、すでに新型コロナウイルス感染症の影響もあってか、実地調査の件数は前
    年比77%となっています。おそらく2年度も実地調査は少なかったと推測されま
    す。
     このコロナ禍において、申告期限は延長が容易になり、調査どころではなかっ
    たというのも実情だとは思いますが、税務署も相当柔軟な対応を取っていて「コ
    ロナ禍で不安なので延期して欲しい」という要請もある程度通っていたようです
    。また緊急事態宣言の間をぬって調査の日程を組んだものの、該当税務署で感染
    者が発生し日程は解消、そのうちに人事異動で結局立ち消え、といった事例もあ
    ったようです。

    ◆接触機会低減を目指した措置?
     実地調査件数は下がったものの「簡易な接触」と表現される書面や電話による
    連絡、資料の提出依頼や来署依頼による面接等で、税務署が納税者に対して自発
    的な申告の見直しなどを要請する手法については、平成30年度と比べて件数が上
    昇しています。
     また、今まではFAXや郵送で対応していた調査・照会等で提出を求められた資
    料の送付が、令和4年1月からe-Taxで送信できるようになります。

    ◆国税庁は「ウィズコロナ」を準備
     国税庁はすでに「納税者の理解を得て、税務調査の効率化を進める」として、
    大規模法人を対象にしたWeb会議システムやリモートアクセスを利用した税務調
    査を試験的に導入しています。
     今後はAIやデータマッチングの導入を行い「申告に対してコンピュータ側で間
    違いをチェック」するような機能の拡充を行うとしており、元々ICT化を目指し
    ていた上で、コロナ禍に乗じてその方策を加速させているように感じます。
     税務関連の手続きは、平成16年にe-Taxの運用が始まってから、今日に至るま
    で、電子化を地道に進めてきました。これからも「便利な改善」が続いてゆくで
    しょう。

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    ◆消費税 インボイス制度いよいよ始動
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    ◆インボイス制度とは
     正式には「適格請求書等保存方式」といいます。令和5年10月から導入されま
    す。導入はまだ先の話ですが、この適格請求書等を発行できる事業者すなわち「
    適格請求書発行事業者」(以下登録事業者という)の届出と受付が今年の10月か
    ら始まります。インボイス制度を理解するにはまず消費税の基本的仕組みを理解
    してください。

    ◆消費税の基本
     消費税の負担者はその名の通り消費者です。しかし消費税の納税者は消費者で
    はなく消費者から消費税を預かった事業者です。事業者も事業活動において仕入
    れや諸経費等消費者と同様消費税を負担します。そこで消費者から預かった消費
    税と自分が負担した消費税の差額を国に納付します。これが消費税です。

    ◆今はどうなっているのか?
     現在は、事業者は租税公課や保険料や給与や住宅の家賃等法律で非課税とされ
    ている取引以外は、全て消費税が課税されているものとして差額を計算して消費
    税を国に納めています。しかし小規模の事業者も全てこの計算をすると大変煩わ
    しいだろうということで、売上が1,000万円以下の事業者に関しては納税を免除
    しています。

    ◆インボイス制度導入後は
     インボイス制度が導入されると、事業者は消費者から預かった消費税から、登
    録事業者が発行した請求書や領収書に記載された消費税だけを差し引いて差額を
    国に納めます。
     もちろん自分も登録事業者でないと、事業者間での取引は難しくなります。
     普段は消費者しか相手にしていない小売店や飲食店でも、大口の会社からの注
    文や忘年会などで、「適格請求書等」(領収書)の発行を求められた時、登録事
    業者でないと、発行できません。そして登録事業者になるということは消費税の
    納税義務者になるということですから、売上1,000万円以下の現在消費税の納税
    が免除されている事業者も取引形態によっては、登録事業者になる必要が出てき
    ます。

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    ◆従業員の配偶者に対する健診費用の会社負担
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    ◆従業員に対する健康診断は会社の義務
     労働安全衛生法66条により、「事業者は、労働者に対し医師による健康診断を
    行わなければならず、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければならない
    」とされています。こうした健康診断の受診費用は、通常必要と認められる範囲
    を超えるものを除き、会社の福利厚生費として扱われます。
     なお、労働者ではない役員は、厳密に言うと労働安全衛生法の対象者ではあり
    ません。しかしながら、健康管理義務がないわけではありませんので、法律上で
    の義務がなくても健康診断を受診してもらうことで、実務上のリスクを下げるこ
    とができるため、同様に会社の福利厚生費となります。
     ただし、受診費用の負担対象者が役員や特定の地位にある者だけとされている
    場合には、その者に対しての給与として課税されます。この場合には、経済的利
    益に係る給与として源泉徴収を行う必要が生じます。さらに、役員の場合、定期
    同額給与に該当しない給与(賞与)として法人税の課税対象として扱われること
    にもなります。

    ◆役員・使用人の配偶者の健診費用会社負担
     会社が役員または使用人の配偶者分の健診費用を負担している場合には、その
    役員または使用人の給与(経済的利益の供与)として扱われます。課税扱いとな
    る理由は、会社は、法律上、配偶者の健康診断の実施義務を負っているわけでは
    ないためです。
     また、一部大企業では配偶者分も会社負担となっているところもあるようです
    が、まだまだ社会一般的に行われているとは認められていないため、経済的利益
    の供与=給与扱いとなります。給与扱いとなるわけですから、それに係る所得税
    の源泉徴収を忘れないようにしなければなりません。

    ◆健診費用の消費税での課税仕入れ不課税
     会社の福利厚生費として扱われる健診費用は、自由診療に該当するため、消費
    税が課税されています。消費税の計算においては課税仕入れとして扱います。
     一方、給与扱いとなる健診負担分(配偶者や特定の地位にある者だけへの負担
    )にも、消費税は課されています。しかしながら勘定科目上は給与扱いですので
    、消費税の計算においては給与=不課税となります。領収書に消費税額の記載が
    あるからと言って、課税仕入れとして扱わないように注意が必要です。

  • 2021.11-16 / 未分類

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    ◆2021年12月の税務
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    12月10日
    ●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民
    税の特別徴収税額(当年6月~11月分)の納付

    翌年1月4日
    ●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人
    事業所税)・法人住民税>
    ●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・
    地方消費税>
    ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

    ●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住
    民税>(半期分)
    ●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告<
    消費税・地方消費税>
    ●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の
    1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

    ○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除
    申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
    ○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
    ○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で
    定める日)

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    ◆令和3年分からふるさと納税の申告手続簡素化
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    ◆ふるさと納税の確定申告が簡単になる?
     個人の所得・控除によって決まる控除上限金額までの寄附なら、自己負担が2,
    000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。令和元年度の寄附件数は約2,334万件
    、寄附総額は約4,875億円となり、すでに市民権を得た制度となっている印象で
    す。
     寄附によって後から税金が減る形になりますが、寄附をしただけでは税金が減
    りません。確定申告をするか、自治体5か所以内への寄附かつ他に確定申告をす
    る必要のない方が利用できる、ワンストップ特例の申請をしなければなりません
    。給与収入のみの方であれば、電子申告を利用すると作成の手間もあまりなく、
    提出も自宅等で行えるため、確定申告はかなり簡単ですが、令和3年分の申告か
    らは「寄附金控除に関する証明書」の発行により、さらに簡素化される見込みで
    す。

    ◆先行して生命保険料控除がやっている制度
     ふるさと納税を扱っている特定事業者が発行する年間寄附額を記載した「寄附
    金控除に関する証明書」は、電子データや郵送等で寄附を行った方に提供されま
    す。寄附を行った方は、証明書のデータを市販の確定申告作成ソフトや国税庁の
    確定申告作成コーナーで読み込ませることで、今まで1つずつ寄附先や寄附金額
    を入力していた手間が省けます。令和2年分の申告や年末調整で導入された、生
    命保険料の控除証明書等の電子的交付と同じ仕組みです。
     また、e-Taxではなく、紙の申告書を提出する場合でも、今までは寄附金受領
    書をすべて提出していたものが、証明書データを国税庁が提供するQRコード付証
    明書等作成システムで読み込むことによって生成される書類を添付する方法を取
    ることができますので、こちらも簡素化が可能です。

    ◆特定事業者認定に注意
     「寄附金控除に関する証明書」を発行することのできる特定事業者は、地方公
    共団体と特定寄附金の仲介に関する契約を締結している事業者となり、ふるさと
    納税でよく聞くポータルサイトを運営している団体となりますが、規模の小さい
    団体は、まだ特定事業者として確認できないものもあります。簡素化制度を使い
    たい場合は、お使いのサイトが特定事業者に認定されているか確認しましょう。

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    ◆相続で所有者不明土地にしないために
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     高齢化で相続が増加する中、利用されない土地が増えると、所有者が判明しな
    い、又は連絡がつかない所有者不明土地が生じます。今年4月、これらの解消を
    目的とした民事基本法制の見直しが行われました。

    1.不動産登記制度の見直し
     相続登記が義務化され、不動産を相続により取得した者は、その取得を知った
    日から3年以内に相続登記を申請しないと10万円以下の過料が徴収されます。一
    方、相続登記はこれまで、登記義務者が共同して申請しなければなりませんでし
    たが、新たに相続人が自らを登記名義人の法定相続人であることを申し出れば、
    単独で登記申請できる「相続人申告登記」※が新設され、登記申請義務を履行し
    たものとみなされます。また、令和4年の税制改正では、相続人の登録免許税の
    負担軽減措置が図られる見込みです。
    (※所有権の移転登記ではなく、報告的な登記とされます)

    2.相続土地国庫帰属制度の創設
     相続した土地を国が買い取る制度も新設されました。相続人にとっては朗報で
    すが、国は、安易な買取りを防ぐ観点から様々な条件をつけてハードルを高くし
    ています。建物は相続人が取り壊して更地にすることや、土壌汚染や埋設物のあ
    る土地、崖地、担保権の設定された土地、通路に利用される土地、境界に争いの
    ある土地などは、買取りの対象からはずされ、買い取る場合でも10年分の管理費
    用を国に支払うことが条件となるなど利用し難さが指摘されています。

    3.土地利用に関連する民法の見直し
     民法も新制度の後押しをします。遺産分割協議の長期未了状態を解消するため
    、相続開始から10年経過したときは、特別受益者の相続分や寄与分によらず、画
    一的な法定相続分で遺産分割することとなりました。
     また所有者不明土地の利活用を促進する観点から新たな管理制度が創設され、
    選任された管理人が当該土地の管理や売却をできるようにしたほか、所有者不明
    土地を電気・ガス・水道などライフラインの確保に利用できるようになりました

    ◆相続で所有者不明土地にしないために
     親世帯と同居することが少なくなり、相続が起きると土地や建物の利用目的が
    失われ、維持コストの負担も重くなります。行き場のない不動産としないために
    も親の世代が将来の活用や処分に責任をもって臨むことが必要な時代になったと
    言えそうです。

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    ◆消費税 インボイス制度いよいよ始動
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    ◆インボイス制度とは
     正式には「適格請求書等保存方式」といいます。令和5年10月から導入されま
    す。導入はまだ先の話ですが、この適格請求書等を発行できる事業者すなわち「
    適格請求書発行事業者」(以下登録事業者という)の届出と受付が今年の10月か
    ら始まります。インボイス制度を理解するにはまず消費税の基本的仕組みを理解
    してください。

    ◆消費税の基本
     消費税の負担者はその名の通り消費者です。しかし消費税の納税者は消費者で
    はなく消費者から消費税を預かった事業者です。事業者も事業活動において仕入
    れや諸経費等消費者と同様消費税を負担します。そこで消費者から預かった消費
    税と自分が負担した消費税の差額を国に納付します。これが消費税です。

    ◆今はどうなっているのか?
     現在は、事業者は租税公課や保険料や給与や住宅の家賃等法律で非課税とされ
    ている取引以外は、全て消費税が課税されているものとして差額を計算して消費
    税を国に納めています。しかし小規模の事業者も全てこの計算をすると大変煩わ
    しいだろうということで、売上が1,000万円以下の事業者に関しては納税を免除
    しています。

    ◆インボイス制度導入後は
     インボイス制度が導入されると、事業者は消費者から預かった消費税から、登
    録事業者が発行した請求書や領収書に記載された消費税だけを差し引いて差額を
    国に納めます。
     もちろん自分も登録事業者でないと、事業者間での取引は難しくなります。
     普段は消費者しか相手にしていない小売店や飲食店でも、大口の会社からの注
    文や忘年会などで、「適格請求書等」(領収書)の発行を求められた時、登録事
    業者でないと、発行できません。そして登録事業者になるということは消費税の
    納税義務者になるということですから、売上1,000万円以下の現在消費税の納税
    が免除されている事業者も取引形態によっては、登録事業者になる必要が出てき
    ます。

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    ◆雇用保険料の引き上げ 雇調金増、財源が不足
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    ◆雇用調整助成金の大幅増加
     新型コロナウイルス感染拡大で休業を余儀なくされた企業の申請で、雇用調整
    助成金の給付が増えました。雇用調整助成金は企業が従業員に払う休業手当の費
    用を補助する制度で、仕事が減っても働く人を解雇せず、雇用を維持してもらう
    のが狙いです。
     元々1人当たりの日額上限は8,300円でしたが、特例措置として今は売上げが大
    きく減少している企業には最大15,000円、助成率10分の10、原則としては13,500
    円、助成率最大10分の9となっています。
     新型コロナの影響による支給決定額は20年3月~21年7月時点の累計で4兆円を
    超えています。リーマン・ショックの後も約6億5千億円で、今は6倍を超えてい
    ます。失業率は抑えられた面もありますが、雇用保険料の財源はひっ迫してきて
    います。

    ◆雇用保険料の財源
     雇用保険は仕事を失った人のため、生活に困窮しないように給付するものと雇
    用安定・能力開発の2つに分かれています。企業からの保険料収入を財源にして
    、給付後の余剰は毎年積み立ています。ただこの度のコロナウイルス感染症で雇
    用安定事業の雇調金の給付が一気に拡大しました。
     国の一般会計からの繰り入れ、失業者向け事業の方からの借り入れで賄ってい
    ます。コロナ前に4兆5,000億円あった積立金が21年度には1,700億円になる見通
    しです。

    ◆厚労省が雇用保険料を上げる検討
     積立金は16年以降保険料率を下げていましたが、余裕がなくなったため来年度
    は雇用保険料を上げる模様です。
     失業者向け事業は労使で本来1.2%負担のところを0.6%で運用してきました。
    これをもし本来の料率に戻すと財源は1兆円規模で増加します。ただ被保険者が2
    倍の保険料徴収、企業も失業者向け部分の保険料が2倍となると負担は多大です
    。また、あまり意識したことはないと思いますが、雇用安定事業は事業主のみが
    負担していて、経団連等は国の一般会計からの拡充を求めています。
     コロナ下で雇調金が雇用維持に一定の効果があったことは確かですが、休業手
    当の補助のため、人手不足企業などへの人材移動を阻む面があると言われていま
    す。

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  • 2021.10-20 / 未分類

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    ◆2021年11月の税務
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    11月10日
    ●10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

    11月15日
    ●所得税の予定納税額の減額申請

    11月30日
    ●所得税の予定納税額の納付(第2期分)
    ●特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
    ●9月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人
    事業所税)・法人住民税>
    ●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申
    告<消費税・地方消費税>
    ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

    ●3月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住
    民税>(半期分)
    ●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3月ごと
    の中間申告<消費税・地方消費税>
    ●消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1
    月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

    ○個人事業税の納付(第2期分)(11月中において都道府県の条例で定める日)

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    ◆マイナンバーカードが健康保険証として利用可能に:令和3年3月~
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    ◆マイナンバーカードが健康保険証に?
     令和3年3月から、医療機関・薬局においてマイナンバーカードの健康保険証
    利用が開始されます。
     既に、マイナンバーカードの健康保険証利用申込みが、令和2年8月から始ま
    っていることをご存じでしょうか?

    ◆健康保険証として利用するためには
     マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、事前に利用の申込
    みが必要です。具体的には、マイナンバーカードを準備した上で、下記(1)~(3)
    のいずれかの手続が必要となります。
    (1)スマートフォンでの申込み
     マイナンバーカード読み取り可能な機種で「マイナポータルAP」をインストー
    ルして「健康保険証利用申込」から申し込みます。
    (2)パソコンでの申込み
     パソコンとマイナンバーカード読み込みカードリーダーを用意して、「マイナ
    ポータル」トップページの「健康保険証利用の申込」から申し込みます。
    (3)マイナポータル端末での申込み
     自治体に設置されたマイナポータル端末から「マイナポータル」サイトにアク
    セスして申し込みます。

    ◆マイナンバーカードで何が変わる?
     医療機関・薬局の受付に設置された顔認証付きカードリーダーで、本人確認と
    保険資格の確認が行われます。
     高額医療費制度を利用する場合、「限度額適用認定証」の申請が不要となり、
    窓口での限度額を超える医療費の一時払いも不要となります。また、転職や結婚
    による新しい健康保険証の発行前でも受診可能になります。
     さらに、確定申告の医療費控除もe-Taxとの連携で簡便になります。

    ◆令和5年3月までには全ての医療機関で
     マイナンバーカードを健康保険証として使うには、医療機関・薬局での顔認証
    付きカードリーダーの設置が前提ですが、令和5年3月までには概ね全ての医療
    機関・薬局で利用できるようになる見通しです。
     健康保険証は将来的には廃止が検討されていますが、当面発行されます。

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    ◆消費税 インボイス制度いよいよ始動
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    ◆インボイス制度とは
     正式には「適格請求書等保存方式」といいます。令和5年10月から導入されま
    す。導入はまだ先の話ですが、この適格請求書等を発行できる事業者すなわち「
    適格請求書発行事業者」(以下登録事業者という)の届出と受付が今年の10月か
    ら始まります。インボイス制度を理解するにはまず消費税の基本的仕組みを理解
    してください。

    ◆消費税の基本
     消費税の負担者はその名の通り消費者です。しかし消費税の納税者は消費者で
    はなく消費者から消費税を預かった事業者です。事業者も事業活動において仕入
    れや諸経費等消費者と同様消費税を負担します。そこで消費者から預かった消費
    税と自分が負担した消費税の差額を国に納付します。これが消費税です。

    ◆今はどうなっているのか?
     現在は、事業者は租税公課や保険料や給与や住宅の家賃等法律で非課税とされ
    ている取引以外は、全て消費税が課税されているものとして差額を計算して消費
    税を国に納めています。しかし小規模の事業者も全てこの計算をすると大変煩わ
    しいだろうということで、売上が1,000万円以下の事業者に関しては納税を免除
    しています。

    ◆インボイス制度導入後は
     インボイス制度が導入されると、事業者は消費者から預かった消費税から、登
    録事業者が発行した請求書や領収書に記載された消費税だけを差し引いて差額を
    国に納めます。
     もちろん自分も登録事業者でないと、事業者間での取引は難しくなります。
     普段は消費者しか相手にしていない小売店や飲食店でも、大口の会社からの注
    文や忘年会などで、「適格請求書等」(領収書)の発行を求められた時、登録事
    業者でないと、発行できません。そして登録事業者になるということは消費税の
    納税義務者になるということですから、売上1,000万円以下の現在消費税の納税
    が免除されている事業者も取引形態によっては、登録事業者になる必要が出てき
    ます。

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    ◆相続で所有者不明土地にしないために
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     高齢化で相続が増加する中、利用されない土地が増えると、所有者が判明しな
    い、又は連絡がつかない所有者不明土地が生じます。今年4月、これらの解消を
    目的とした民事基本法制の見直しが行われました。

    1.不動産登記制度の見直し
     相続登記が義務化され、不動産を相続により取得した者は、その取得を知った
    日から3年以内に相続登記を申請しないと10万円以下の過料が徴収されます。一
    方、相続登記はこれまで、登記義務者が共同して申請しなければなりませんでし
    たが、新たに相続人が自らを登記名義人の法定相続人であることを申し出れば、
    単独で登記申請できる「相続人申告登記」※が新設され、登記申請義務を履行し
    たものとみなされます。また、令和4年の税制改正では、相続人の登録免許税の
    負担軽減措置が図られる見込みです。
    (※所有権の移転登記ではなく、報告的な登記とされます)

    2.相続土地国庫帰属制度の創設
     相続した土地を国が買い取る制度も新設されました。相続人にとっては朗報で
    すが、国は、安易な買取りを防ぐ観点から様々な条件をつけてハードルを高くし
    ています。建物は相続人が取り壊して更地にすることや、土壌汚染や埋設物のあ
    る土地、崖地、担保権の設定された土地、通路に利用される土地、境界に争いの
    ある土地などは、買取りの対象からはずされ、買い取る場合でも10年分の管理費
    用を国に支払うことが条件となるなど利用し難さが指摘されています。

    3.土地利用に関連する民法の見直し
     民法も新制度の後押しをします。遺産分割協議の長期未了状態を解消するため
    、相続開始から10年経過したときは、特別受益者の相続分や寄与分によらず、画
    一的な法定相続分で遺産分割することとなりました。
     また所有者不明土地の利活用を促進する観点から新たな管理制度が創設され、
    選任された管理人が当該土地の管理や売却をできるようにしたほか、所有者不明
    土地を電気・ガス・水道などライフラインの確保に利用できるようになりました

    ◆相続で所有者不明土地にしないために
     親世帯と同居することが少なくなり、相続が起きると土地や建物の利用目的が
    失われ、維持コストの負担も重くなります。行き場のない不動産としないために
    も親の世代が将来の活用や処分に責任をもって臨むことが必要な時代になったと
    言えそうです。

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  • 2021.09-29 / 未分類

    今月の事務所だよりです。

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    ◆2021年10月の税務
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    10月12日
    ●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

    10月15日
    ●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知

    11月1日
    ●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人
    事業所税)・法人住民税>
    ●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・
    地方消費税>
    ●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

    ●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住
    民税>(半期分)
    ●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<
    消費税・地方消費税>
    ●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1
    月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

    ○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村
    の条例で定める日)

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    ◆贈与税の配偶者控除と登記
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    ◆居住用不動産を贈与したときの配偶者控除
     婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得する
    ための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで
    控除(配偶者控除)できます。
     この特例の適用を受けるには贈与税の申告書と次の書面の提出が必要です。
    (1)贈与日後10日経過後の戸籍謄本・抄本
    (2)同戸籍の附票の写し
    (3)居住用不動産の登記事項証明書等

    ◆店舗兼住宅の持分贈与を受けた場合
     店舗兼住宅について、例えば居住用部分の50%の贈与をしたとして、登記面で
    はそれが全体の25%の持分贈与と表記されたとしても、居住用部分のみの贈与と
    扱われることになっています。
     また、居住用部分がおおむね90%以上の場合は全て居住用不動産として扱うこ
    とができます。

    ◆居住用不動産贈与と相続税の扱い
     配偶者控除適用居住用贈与不動産は、相続開始前3年内贈与加算の対象外です

     また、その贈与が相続開始年になされた場合は、その居住用不動産のうち、贈
    与税の配偶者控除があるものと仮定して控除される部分は、相続税の課税価格に
    加算されず、相続税の対象となりません。

    ◆所有権移転登記は要件か?
     贈与の対象となった居住用不動産の登記事項証明書の添付は、この贈与税の配
    偶者控除特例の適用要件でした。でも、贈与による所有権移転登記そのものは、
    適用要件ではありません。
     それで、平成28年に、贈与による居住用不動産取得の事実が確認できる書類を
    添付する事に省令改正されました。登記事項証明書は、その事実確認書類の一つ
    の例示例となっています。

    ◆登記を要件にできない色々な理由がある
     登記には第三者対抗要件はあるものの、義務ではなく、任意なので、税法の適
    用要件に登記を義務づけることは憚られるのだと思われます。
     それに、店舗兼住宅での登記のように、居住部分のみの登記は受け付けられな
    いし、大きな敷地の一部の居住部分の贈与の場合、分筆等が必要となる場合など
    を考慮すると、測量費なども含め、登記費用負担が居住用不動産贈与の特例適用
    の妨害要因になってしまうからなのだと思われます。

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    ◆令和3年分からふるさと納税の申告手続簡素化
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    ◆ふるさと納税の確定申告が簡単になる?
     個人の所得・控除によって決まる控除上限金額までの寄附なら、自己負担が2,
    000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。令和元年度の寄附件数は約2,334万件
    、寄附総額は約4,875億円となり、すでに市民権を得た制度となっている印象で
    す。
     寄附によって後から税金が減る形になりますが、寄附をしただけでは税金が減
    りません。確定申告をするか、自治体5か所以内への寄附かつ他に確定申告をす
    る必要のない方が利用できる、ワンストップ特例の申請をしなければなりません
    。給与収入のみの方であれば、電子申告を利用すると作成の手間もあまりなく、
    提出も自宅等で行えるため、確定申告はかなり簡単ですが、令和3年分の申告か
    らは「寄附金控除に関する証明書」の発行により、さらに簡素化される見込みで
    す。

    ◆先行して生命保険料控除がやっている制度
     ふるさと納税を扱っている特定事業者が発行する年間寄附額を記載した「寄附
    金控除に関する証明書」は、電子データや郵送等で寄附を行った方に提供されま
    す。寄附を行った方は、証明書のデータを市販の確定申告作成ソフトや国税庁の
    確定申告作成コーナーで読み込ませることで、今まで1つずつ寄附先や寄附金額
    を入力していた手間が省けます。令和2年分の申告や年末調整で導入された、生
    命保険料の控除証明書等の電子的交付と同じ仕組みです。
     また、e-Taxではなく、紙の申告書を提出する場合でも、今までは寄附金受領
    書をすべて提出していたものが、証明書データを国税庁が提供するQRコード付証
    明書等作成システムで読み込むことによって生成される書類を添付する方法を取
    ることができますので、こちらも簡素化が可能です。

    ◆特定事業者認定に注意
     「寄附金控除に関する証明書」を発行することのできる特定事業者は、地方公
    共団体と特定寄附金の仲介に関する契約を締結している事業者となり、ふるさと
    納税でよく聞くポータルサイトを運営している団体となりますが、規模の小さい
    団体は、まだ特定事業者として確認できないものもあります。簡素化制度を使い
    たい場合は、お使いのサイトが特定事業者に認定されているか確認しましょう。

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    ◆相続で所有者不明土地にしないために
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     高齢化で相続が増加する中、利用されない土地が増えると、所有者が判明しな
    い、又は連絡がつかない所有者不明土地が生じます。今年4月、これらの解消を
    目的とした民事基本法制の見直しが行われました。

    1.不動産登記制度の見直し
     相続登記が義務化され、不動産を相続により取得した者は、その取得を知った
    日から3年以内に相続登記を申請しないと10万円以下の過料が徴収されます。一
    方、相続登記はこれまで、登記義務者が共同して申請しなければなりませんでし
    たが、新たに相続人が自らを登記名義人の法定相続人であることを申し出れば、
    単独で登記申請できる「相続人申告登記」※が新設され、登記申請義務を履行し
    たものとみなされます。また、令和4年の税制改正では、相続人の登録免許税の
    負担軽減措置が図られる見込みです。
    (※所有権の移転登記ではなく、報告的な登記とされます)

    2.相続土地国庫帰属制度の創設
     相続した土地を国が買い取る制度も新設されました。相続人にとっては朗報で
    すが、国は、安易な買取りを防ぐ観点から様々な条件をつけてハードルを高くし
    ています。建物は相続人が取り壊して更地にすることや、土壌汚染や埋設物のあ
    る土地、崖地、担保権の設定された土地、通路に利用される土地、境界に争いの
    ある土地などは、買取りの対象からはずされ、買い取る場合でも10年分の管理費
    用を国に支払うことが条件となるなど利用し難さが指摘されています。

    3.土地利用に関連する民法の見直し
     民法も新制度の後押しをします。遺産分割協議の長期未了状態を解消するため
    、相続開始から10年経過したときは、特別受益者の相続分や寄与分によらず、画
    一的な法定相続分で遺産分割することとなりました。
     また所有者不明土地の利活用を促進する観点から新たな管理制度が創設され、
    選任された管理人が当該土地の管理や売却をできるようにしたほか、所有者不明
    土地を電気・ガス・水道などライフラインの確保に利用できるようになりました

    ◆相続で所有者不明土地にしないために
     親世帯と同居することが少なくなり、相続が起きると土地や建物の利用目的が
    失われ、維持コストの負担も重くなります。行き場のない不動産としないために
    も親の世代が将来の活用や処分に責任をもって臨むことが必要な時代になったと
    言えそうです。

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  • 2021.08-19 / 未分類

    インボイス制度について

    消費税のインボイス制度が令和5年10月からスタートします。

    家主として注意すべきことは住宅用の家賃収入は非課税ですので影響はありません。

    問題はテナント・駐車場収入がある場合です。消費税課税事業者なら変わらないのですが、免税事業者であれば選択肢は2つではないかと考えられます。

    ①免税事業者のままなら消費税分を値引きされる。

    ②課税事業者となり消費税を納めることにする。

    いずれにしても今より手取り額が減ってしまうことになります。

    どのような対策をとるかは顧問税理士と相談したほうがいいかと考えます。