2021.11-16 /未分類今月の事務所だよりです。

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  今月の事務所だより
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いつもお世話になっております。

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◆2021年12月の税務
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12月10日
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民
税の特別徴収税額(当年6月~11月分)の納付

翌年1月4日
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人
事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・
地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住
民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告<
消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の
1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除
申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で
定める日)

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◆令和3年分からふるさと納税の申告手続簡素化
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◆ふるさと納税の確定申告が簡単になる?
 個人の所得・控除によって決まる控除上限金額までの寄附なら、自己負担が2,
000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。令和元年度の寄附件数は約2,334万件
、寄附総額は約4,875億円となり、すでに市民権を得た制度となっている印象で
す。
 寄附によって後から税金が減る形になりますが、寄附をしただけでは税金が減
りません。確定申告をするか、自治体5か所以内への寄附かつ他に確定申告をす
る必要のない方が利用できる、ワンストップ特例の申請をしなければなりません
。給与収入のみの方であれば、電子申告を利用すると作成の手間もあまりなく、
提出も自宅等で行えるため、確定申告はかなり簡単ですが、令和3年分の申告か
らは「寄附金控除に関する証明書」の発行により、さらに簡素化される見込みで
す。

◆先行して生命保険料控除がやっている制度
 ふるさと納税を扱っている特定事業者が発行する年間寄附額を記載した「寄附
金控除に関する証明書」は、電子データや郵送等で寄附を行った方に提供されま
す。寄附を行った方は、証明書のデータを市販の確定申告作成ソフトや国税庁の
確定申告作成コーナーで読み込ませることで、今まで1つずつ寄附先や寄附金額
を入力していた手間が省けます。令和2年分の申告や年末調整で導入された、生
命保険料の控除証明書等の電子的交付と同じ仕組みです。
 また、e-Taxではなく、紙の申告書を提出する場合でも、今までは寄附金受領
書をすべて提出していたものが、証明書データを国税庁が提供するQRコード付証
明書等作成システムで読み込むことによって生成される書類を添付する方法を取
ることができますので、こちらも簡素化が可能です。

◆特定事業者認定に注意
 「寄附金控除に関する証明書」を発行することのできる特定事業者は、地方公
共団体と特定寄附金の仲介に関する契約を締結している事業者となり、ふるさと
納税でよく聞くポータルサイトを運営している団体となりますが、規模の小さい
団体は、まだ特定事業者として確認できないものもあります。簡素化制度を使い
たい場合は、お使いのサイトが特定事業者に認定されているか確認しましょう。

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◆相続で所有者不明土地にしないために
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 高齢化で相続が増加する中、利用されない土地が増えると、所有者が判明しな
い、又は連絡がつかない所有者不明土地が生じます。今年4月、これらの解消を
目的とした民事基本法制の見直しが行われました。

1.不動産登記制度の見直し
 相続登記が義務化され、不動産を相続により取得した者は、その取得を知った
日から3年以内に相続登記を申請しないと10万円以下の過料が徴収されます。一
方、相続登記はこれまで、登記義務者が共同して申請しなければなりませんでし
たが、新たに相続人が自らを登記名義人の法定相続人であることを申し出れば、
単独で登記申請できる「相続人申告登記」※が新設され、登記申請義務を履行し
たものとみなされます。また、令和4年の税制改正では、相続人の登録免許税の
負担軽減措置が図られる見込みです。
(※所有権の移転登記ではなく、報告的な登記とされます)

2.相続土地国庫帰属制度の創設
 相続した土地を国が買い取る制度も新設されました。相続人にとっては朗報で
すが、国は、安易な買取りを防ぐ観点から様々な条件をつけてハードルを高くし
ています。建物は相続人が取り壊して更地にすることや、土壌汚染や埋設物のあ
る土地、崖地、担保権の設定された土地、通路に利用される土地、境界に争いの
ある土地などは、買取りの対象からはずされ、買い取る場合でも10年分の管理費
用を国に支払うことが条件となるなど利用し難さが指摘されています。

3.土地利用に関連する民法の見直し
 民法も新制度の後押しをします。遺産分割協議の長期未了状態を解消するため
、相続開始から10年経過したときは、特別受益者の相続分や寄与分によらず、画
一的な法定相続分で遺産分割することとなりました。
 また所有者不明土地の利活用を促進する観点から新たな管理制度が創設され、
選任された管理人が当該土地の管理や売却をできるようにしたほか、所有者不明
土地を電気・ガス・水道などライフラインの確保に利用できるようになりました

◆相続で所有者不明土地にしないために
 親世帯と同居することが少なくなり、相続が起きると土地や建物の利用目的が
失われ、維持コストの負担も重くなります。行き場のない不動産としないために
も親の世代が将来の活用や処分に責任をもって臨むことが必要な時代になったと
言えそうです。

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◆消費税 インボイス制度いよいよ始動
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◆インボイス制度とは
 正式には「適格請求書等保存方式」といいます。令和5年10月から導入されま
す。導入はまだ先の話ですが、この適格請求書等を発行できる事業者すなわち「
適格請求書発行事業者」(以下登録事業者という)の届出と受付が今年の10月か
ら始まります。インボイス制度を理解するにはまず消費税の基本的仕組みを理解
してください。

◆消費税の基本
 消費税の負担者はその名の通り消費者です。しかし消費税の納税者は消費者で
はなく消費者から消費税を預かった事業者です。事業者も事業活動において仕入
れや諸経費等消費者と同様消費税を負担します。そこで消費者から預かった消費
税と自分が負担した消費税の差額を国に納付します。これが消費税です。

◆今はどうなっているのか?
 現在は、事業者は租税公課や保険料や給与や住宅の家賃等法律で非課税とされ
ている取引以外は、全て消費税が課税されているものとして差額を計算して消費
税を国に納めています。しかし小規模の事業者も全てこの計算をすると大変煩わ
しいだろうということで、売上が1,000万円以下の事業者に関しては納税を免除
しています。

◆インボイス制度導入後は
 インボイス制度が導入されると、事業者は消費者から預かった消費税から、登
録事業者が発行した請求書や領収書に記載された消費税だけを差し引いて差額を
国に納めます。
 もちろん自分も登録事業者でないと、事業者間での取引は難しくなります。
 普段は消費者しか相手にしていない小売店や飲食店でも、大口の会社からの注
文や忘年会などで、「適格請求書等」(領収書)の発行を求められた時、登録事
業者でないと、発行できません。そして登録事業者になるということは消費税の
納税義務者になるということですから、売上1,000万円以下の現在消費税の納税
が免除されている事業者も取引形態によっては、登録事業者になる必要が出てき
ます。

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◆雇用保険料の引き上げ 雇調金増、財源が不足
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◆雇用調整助成金の大幅増加
 新型コロナウイルス感染拡大で休業を余儀なくされた企業の申請で、雇用調整
助成金の給付が増えました。雇用調整助成金は企業が従業員に払う休業手当の費
用を補助する制度で、仕事が減っても働く人を解雇せず、雇用を維持してもらう
のが狙いです。
 元々1人当たりの日額上限は8,300円でしたが、特例措置として今は売上げが大
きく減少している企業には最大15,000円、助成率10分の10、原則としては13,500
円、助成率最大10分の9となっています。
 新型コロナの影響による支給決定額は20年3月~21年7月時点の累計で4兆円を
超えています。リーマン・ショックの後も約6億5千億円で、今は6倍を超えてい
ます。失業率は抑えられた面もありますが、雇用保険料の財源はひっ迫してきて
います。

◆雇用保険料の財源
 雇用保険は仕事を失った人のため、生活に困窮しないように給付するものと雇
用安定・能力開発の2つに分かれています。企業からの保険料収入を財源にして
、給付後の余剰は毎年積み立ています。ただこの度のコロナウイルス感染症で雇
用安定事業の雇調金の給付が一気に拡大しました。
 国の一般会計からの繰り入れ、失業者向け事業の方からの借り入れで賄ってい
ます。コロナ前に4兆5,000億円あった積立金が21年度には1,700億円になる見通
しです。

◆厚労省が雇用保険料を上げる検討
 積立金は16年以降保険料率を下げていましたが、余裕がなくなったため来年度
は雇用保険料を上げる模様です。
 失業者向け事業は労使で本来1.2%負担のところを0.6%で運用してきました。
これをもし本来の料率に戻すと財源は1兆円規模で増加します。ただ被保険者が2
倍の保険料徴収、企業も失業者向け部分の保険料が2倍となると負担は多大です
。また、あまり意識したことはないと思いますが、雇用安定事業は事業主のみが
負担していて、経団連等は国の一般会計からの拡充を求めています。
 コロナ下で雇調金が雇用維持に一定の効果があったことは確かですが、休業手
当の補助のため、人手不足企業などへの人材移動を阻む面があると言われていま
す。

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